鹿児島県の特産品として沢山のものが知られていますが、中でも「薩摩切子(さつまきりこ)」や「薩摩焼(さつまやき)」はとても有名です!
「薩摩切子」とは、幕末の頃から明治の初頭にかけて海外交易品として薩摩藩で生産されたガラス細工やカットグラスのことを言います。「薩摩切子」は、藩主・島津斉彬の時代に、鹿児島城下にあった製鉄等の工場群にあった硝子工場で製造されていました。そんな硝子工場で生産される「薩摩切子」は、薩摩ビードロなどとも呼ばれていました。
明治10年に起きた西南戦争のときに、「薩摩切子」の製造は一旦途絶えてしまいました。・・が、それから約100年後の昭和の後半に、世界に誇るガラス工芸として「薩摩切子」が復活し、生産されるようになりました。
復刻生産される「薩摩切子」においても、紅、紫、藍、緑の4色がとても見事に再現されていて、難しいと言われた金赤色の再現にも成功しています。中でもアクセサリー風にアレンジされた「薩摩切子」は、キラキラする切子特有の感じがとても手軽に楽しめて嬉しいと、大好評です。こんな風な薩摩切子のアクセサリーを自作することができる工房もあり、工房は若い人たちで賑わっているようです。
また、薩摩藩の島津義弘が約400年前、朝鮮半島から陶工さん達を薩摩に連れ帰ったんですが、その陶工さん達の陶工技術をもとにして、陶磁器「薩摩焼」の生産が始められました。「薩摩焼」の窯元は、県内の美山にある苗代川窯をはじめ、鹿児島市の長太郎窯や姶良市の龍門司窯など、鹿児島県内各地にあります。
「薩摩焼」には、竪野系、苗代川系、龍門司系があります。「薩摩焼」は、それぞれの特徴によって、黒もんと呼ばれる「黒薩摩」と、白もんと呼ばれる「白薩摩」に分類されます。
「黒薩摩」は、大衆の日用雑器として製造されていたもので、使用する土が鉄分を多く含むため黒くなりました。「黒薩摩」として、焼酎を入れる「黒ぢょか」と呼ばれる土瓶などが知られています。また、「白薩摩」は、薩摩藩の竪野系と苗代川系の窯で焼かれたもので、使用できるのは薩摩藩と島津家だけだったので、一般人は見ることができませんでした。